会社訪問第2弾!!という事で先日、株式会社寺松商店様http://www.teramatsu.co.jp/を訪問しました。
株式会社寺松商店、専務取締役の寺松一寿さんは、QBS4期生のOBの方です。また、2年前からQBS生の同窓会組織である「QBS Alumni Network」(QAN) の会長も務めていらっしゃいます。QBSビジネスプランコンテストでは昨年から「QAN賞」も設立され、QANの皆様に多大なるご支援を頂いております。今回は、経営者としてのお話と共に、QANについてもお話を伺いました。
―――今のお仕事の概要を教えてください。
市場から古紙を回収して、各地の工場で選別・圧縮梱包をした後、国内外の製紙会社に製紙原料として販売しています。海外の製紙会社でも、商社を介さず直販しているのが弊社の特徴の一つで、毎月約2万トンを扱っています。現在九州内の古紙回収量の約2割のシェアを占めています。全くの余談ですが大型免許を持っている唯一のQBS修了生ではないかと自負しています(笑)
―――会社を経営する上で心掛けていることは何ですか?
社会に求められる存在になろうと常に心掛けています。それは異なる市場間のギャップを埋めることが出来る存在と言う事が出来るし、また逆説的には必要性を創り出せる存在とも言う事が出来ます。マーケティングの本質は、市場を創造する事と理解していますが、QBSが掲げる「新たな事業価値の創造」のポリシーには大いに共感する概念で、それは新たな市場を創造する事も意味します。これらの二つの具体例を弊社で言えば、例えば、国内では付加価値が低い古紙を海外に販売して価値を高める事は市場間のギャップを埋める例になるでしょうし、機密文書を安全に破棄するサービスを提供している事は、従来日本になかったサービスと概念なので、新たな事業価値創造の例にあたろうかと思います。加えて、今では見かけなくなったちり紙交換のような昔からあるコテコテの既存の存在であっても、最新のICT技術や経営の概念を盛り込む事で新たな輝きを生ませている事もその一例であろうと思います。市場の変化や技術の進歩など外部環境は常に変化するものですが、その変化に適合する、またはその変化を創り出せる組織でありたいと思っています。
―――QBSの学びが今の仕事にどの様に活きていますか?
大きく2つの学びがあったと感じています。1つ目はビジネスを理論として体系的に学べたことです。自分の考えを整理するには特に有効だと思います。釈迦に説法なのは重々承知ですが、理論と実践には常にギャップがあるものです。心がある人と接する社会では理論の実践には注意が必要です。その乖離は人によってそれぞれでしょうが、溝を埋める各位の努力が理論を実践する場では最も肝要なことであろうと考えています。2点目は、仲間を得られた事です。QBSでの共通体験がある仲間は頼りがいがあります。そしてその仲間の輪はどんどん広がりを見せています。QANの人脈は素晴らしいと心強く思っています。
―――寺松さんは2年前からQANの会長もされていますが、QANの取り組みについて教えてください
今期のQANのテーマは”sustainable”で、持続可能な組織・事業になるよう理事の皆さんや顧問と一緒にチャレンジしています。具体的には①アワード②データベース(含むQANプロ)③総務会計④碧樹会合同イベント⑤法人化⑥東京支部の6部門が動いています。企業で言えば、2つの営業部門と1つの管理部門、2つの社内プロジェクトに東京事業所と言った感でしょうか(笑)QANは現在500名を超える修了生から構成されています。その一人一人が各分野で活躍される一角の人物ばかりで、大いなる可能性を感じています。法人化の検討など大きなテーマにも取り組んでいますが、究極は各会員の皆さんのお役に立つ事です。それが出来れば、結果的にQBSにも大いに貢献できると思っています。今は比べるべくもありませんが、QBSと釣り合うQANにしたいと考えています。
―――昨年から、ビジネスプランコンテストではQAN賞が創設されましたが、QAN賞ではどの様な所を中心に審査していますか?
昨年のQAN賞は、「夢があること」というシンプルな評価基準で決定しました。観覧する理事に10点満点で評価して頂き、その合計点で決定しています。稚拙な私達が審査員の先生方と同じ物差しで評価しても意味がありません。経験上感じる事ですが、夢や希望がなければ人は動けないものです。でも逆にそれがあれば頑張ることが出来る。人間とは不思議なものです。多くの方に夢や希望を与えることが出来るビジネスプランを楽しみにしています。
―――ビジネスプランコンテスト参加者にメッセージをお願いします。
大人になってから心通う友達を作ることは簡単なことではありません。名刺交換だけでは全くの夢物語です。泥臭い言い様かもしれませんが、一つの物事を一緒にやり通す共通体験を得ることが最も有効な手段だと思います。その好機会です。ゴールに至る過程で時には喧嘩する事もあるでしょう。でもきっと一緒に笑う事もあるはずです。何かの縁があって組まれたチーム。人脈という薄っぺらな言葉を超えて、お互いに頼れる仲間と言えるよう取り組んで頂きたいと切に思っています。通常の授業やお仕事とは別に、ビジネスプランコンテトに取り組むのは大変でしょうが、運営スタッフを含めて一生懸命に汗をかき頑張る皆さんを心から尊敬しています。あともう少しです。頑張ってやり通してください。最後は何事も気合と根性です (笑)
今回もQBS卒業生の方のご活躍を目の当たりにして、非常に刺激を受けることができました。また、卒業後もQANの会長としてQBSの発展に尽力される寺松さんのお話を聞いて、私たち実行委員もビジネスプランコンテストを成功させようと改めて誓いました。
お忙しい中、快くインタビューを引き受けて頂いた寺松さん、本当にありがとうございました。